サントリー1万人の第九
 2013(平成25)年12月1日  
 大阪城ホール

1983年(昭和58年)に初めて開催された「1万人の第九」も、今年は31回目。
私も過去4回、合唱の一員として参加した。
今回は久しぶりに観客として会場へ。
合唱に参加するようになってからは初めての観客としての参加となる。

会場の収容能力から、合唱の1万人超の人数に対して観客はその半分ぐらいとなる。
つまり観客のチケット入手は至難の業で、合唱参加者が自分の家族や知人に見に来てほしいと思っても、それも抽選でなかなか当たらない。もちろん一般発売はとうてい無理。

しかし当日並んで、幸運にも、正面中央のスタンド席最前列をゲットし、1万人の合唱の渦の中に身を置くことができた。

コンサートの感想は、それはもちろん良かった。
合唱がよく合っている。当たり前だが、この規模で合唱をすると、常識的には絶対に合わないのを、見事に合わせてみせた。ホールの端から端まで150メートルぐらいあるとすると、音速の時差が0.5秒ぐらいあるわけで、同時に声を出したとしても必ずずれる。この合唱に参加した経験からわかるのだが、合唱団は人の声を聴きながらそれに合わせて歌うのではダメで、全員が指揮者だけを見てテンポを合わせることに徹することで、かろうじてズレのない合唱に聴こえるのだ。

私の席は正面のスタンド席最前列だから、全体が良く見えて、全体の音が良く聞こえるはずだったが、最も正面に陣取る男声合唱の音量が弱い。私も参加していたのだが、男性合唱はこんなにも「聞こえない」ものだったのだ。ただ、聴く場所によるのかもしれない。少なくとも指揮者の佐渡裕さんの位置では最もバランスの良い合唱になっているはずだ。座って聴くことができただけでもラッキーなので、席の場所について文句は言えない。
アリーナ席は全て観客。スタンド席はほとんどが合唱団で、ごくわずか、私のいるスタンド正面の席は両サイドにソプラノ、アルトの人たちがいる。

合唱の部分では自然に軽く口ずさみながらの鑑賞となる。
やはり、観客として聴くよりも、合唱に参加する方が、プロセスの苦労も重なり、感動がある。
この次は、やっぱり合唱での参加がいい。






終演後



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