2014.5.4(祝) 韓国の事故  
 
 
韓国の船の事故と地下鉄の事故。他人ごとではない。しかし、こういう事故が起きる素地は韓国には元々あると思っていたので、事故が起きたことに驚くことはない。私が韓国に行ってみたのは一度だけ。2010年の夏。まだまだ韓流ブーム真っ盛りで、ソウルの繁華街・明洞は日本からの観光客でいっぱいだった。
 韓国では駅や空港などの施設で写真撮影をすることが禁じられているので、地下鉄の写真は1枚も無い。いまだに北朝鮮との戦時下にあることになっているこの国は、何かと怖い雰囲気なのだ。その後、日韓関係は悪化し、韓流ブームも旅行も、はたまた韓国のアイドルグループの日本での活躍も、今では下火になっている。
 韓国で船は利用しなかったが、地下鉄には何度か乗った。たまに事故が起きていることは聴いていたので、安心はできなかった。でも事故は確率の問題であり、100回乗っても事故に遭うことはまずない。しかし、絶対に起きない、あるいは万一起きたとしても大きなことにはならないという信頼感があるかどうか、これは表面で見ても素人には何もわからないのだが、ただひとつ、それがわかる要素がある。人の態度だ。駅員が仕事をしている態度。乗客が整然と並び、譲り合って乗り降りする態度。これらが総合されて、安全な運行態勢があるかどうかが見える。中国の上海や北京はもっとひどい。事故は起こるべくして起こっている。海外旅行で訪れた街では公共交通機関をよく利用するが、安全度は雰囲気でわかる。

 私が初めて大きな船に乗ったのは、修学旅行の時の青函連絡船だった。乗る前に乗船名簿を書くことと、船室の身近な所に設置された救命胴衣を見て、船というのは怖いものだと体感した。私の育った北海道八雲町は函館から近いので青函連絡船・洞爺丸が台風で沈没した事故のことは生々しく聴かされてきた。その当時は日本でも時々鉄道事故が起きていた。
 事故の教訓は必ず活かされていて、そういう事故はもう起きないという信頼ができた。その意味で、原発事故はまだまだ経験不足から信頼が薄い。北海道のJRの事故に見られるように、技術はあっても手を抜く態勢になったら全くダメだ。

 安全第一という言葉はありふれているが、人の気持ちの中で、事故をゼロにしようとする気持ちが、事業者にも利用者にもあるかどうかが問われる。1万分の一の確率で起きる事故を、9999回は大丈夫なのだから心配に及ばないと考えるのが私の身上で、そんなに心配してたら世の中で生きていけないと思っている。しかし、一方で、1万分の一でもゼロにしなければいけないという意識をお互いに持ち続けることが、世の中で維持されなければ日本でもまた事故は起きる。
 事故は多くの人命喪失を伴う。事業者と国民の意識で防がなければならない。韓国の2つの事故は、今までその態勢の中にいた国民の態度の表れでもあり、当然、国の態勢、すなわち国民の態勢が問われて然るべきだと思う。中国はもっと深刻だ。産業の発展よりも人命の方が軽く考えられる国には、それなりの事情があるが、かつて日本もその道を歩んできた。中国も韓国も、もっと日本と仲良くしようとすれば、日本はアジアの先進国として、もっと温かい支援ができると思うのだが、今の両国の日本に対する態度が残念だ。


2014.2.23(日) 集大成の勝利 
 
 
 ソチ・オリンピックがほぼ終わった。日本の選手は、良い結果が出た人とそうでない人が入り混じる。

 連日私も、深夜の番組は見ず、朝起きて結果を確認する毎日でした。

 大会の前半は、カーリングの試合が毎日あり、ちょうど起きている時間帯に放送があるので、見ていました。冬季五輪のテレビ放送で、最も見る時間の長かったのがカーリングかもしれません。リーグ戦の試合が連日あり、試合時間もそこそこかかる。他の競技がせいぜい数分間の競技なのに対し、テレビ画面に映る時間が長い。そこそこ日本選手が活躍してテレビにもいっぱい映る、ぜひもっと普及してほしい競技です。

 ジャンプが日本のお家芸と言われる時代があったり、日本人に不利となるスキー板の規制があったりと、色々あったが、ようやく日本ジャンプ復活のオリンピックとなったのは喜ばしい。私の記憶は札幌オリンピック(1972年)の、70メートル級(今のノーマルヒル)ジャンプ金銀銅独占に始まる。長野の団体金メダルもあるが、それから16年も経った。札幌からは42年も経った。日本のジャンプの寂しい時代が長かったことになります。
 そして、女子では九分九厘金メダルだった高梨さんが、よもやの逆風で敗れる結果となりました。ジャンプは風に大きく左右されるので、最近は風の数値を採点に少し反映するルールになっているようだが、それもわずかなので、結局そういうことになる。自然の中で人間がやっていることで、だからこそ競技として頑張れるのだから、結果の原因を嘆いても仕方がない。

 スノボの実力絶対王者ショーン・ホワイトでも負けるのがオリンピック。トリノで荒川静香さんが金メダルを取ったが、彼女は当時の実力では世界一でも日本一でもなかった。ちょうど自分の演技がうまく頂点になり、他の選手がよもやの失敗を演じた結果。つまり誰にでもチャンスはあり、オリンピックとはそういうものだと受け留めなければいけないと私は思っています。

 2002年12月、私はフィギュアスケート全日本選手権大会を初めてナマで見ました。京都アクアリーナです。入場料は2千円。全席自由席。当日券のみ。フィギュアスケートの人気はそんなものでした。
 女子シングルの結果上位は、村主、恩田、荒川でした。しかし順位こそ4位以下になったものの、私がそこで見た衝撃の若手選手が、太田由希奈、安藤美姫、浅田真央。太田さんは16歳の高校生で、誰よりも優れた表現力があり、私は完全にのめり込むことになってしまいました。太田さんはジュニアの世界一を極め、次のオリンピックでメダルを取るのはこの人かと私は思いましたが、残念ながらその後、全日本の合宿中に右足首の故障で選手生命を奪われ結局引退しました。安藤美姫さんはこの大会直前にジュニアグランプリファイナルで優勝し、4回転サルコウを公式戦で初めて成功させた女子。
 浅田真央ちゃんは当時12歳の小学6年生。全日本選手権に特別参加し、小さな体で広いリンクをいっぱいに使って見せてくれた演技の中で、「3連続3回転ジャンプ」という当時も今も誰もできない(本人もその後はできない)技を披露し、翌日のスポーツ紙では大見出しでした。
 この3人を見て、これは、日本のフィギュアがこれからスゴイことになるという予感がしました。その後、太田さんと真央ちゃんを追いかけて、横浜や長野、東京での全日本選手権、東京のグランプリファイナルなどを応援してきました。一昨年の11月には海外の大会にも妻と一緒に応援に行きました。真央ちゃんは、いつか必ずオリンピックで金メダルを取ると信じてきましたが、今回のソチの結果が出た後は、順位やメダルはどうでもいいというのが私の今の心境です。

 フリー演技のフィニッシュで天を仰ぎ、そのまま号泣する真央ちゃんの映像を見て、私は同じように泣いてしまいます。あれが、集大成の良い演技ができたうれし涙で、そこには、誰かに勝った負けたとか、点数や順位がどうとかいうものを超越した勝利感がありました。

 キムヨナが2位で、韓国では採点がおかしいとネットで炎上しているそうですが、ばかばかしいことです。採点競技である以上、地元ロシアの選手が声援に乗って良い演技をし高得点を得るのは当然でもあります。それに私が見ても、キムヨナのプログラム構成は明らかにソトニコワや真央よりも点数が低く、演技構成点は真央よりも高く出ているが、それこそ、真央ちゃんよりも高いのか?と逆に疑問がわく。
 
 テレビ報道で「浅田真央はフリーだけで見れば3位であり銅メダル」というのがあったが、これは無意味。
 前日のショートプログラムでメダルの可能性がなくなり、最終組に入れなかった真央ちゃんだが、フリーの内容は素晴らしい最高の演技だったにもかかわらず、2か所の回転不足を指摘され、さらに演技構成点が低くつけられたために、フリーの順位は3位だった。採点の問題を指摘するのなら、そういうことなのです。最終組でメダルを争っている状態で臨んだフリーであれば、同じ演技でももっと高い点数になったはずです。真央のフリー演技に自己最高点となる点数が付いたが、その後の最終組では、メダル争いの選手たちのノーミスの演技に対して更に高い点数が付くのはやむを得ないことです。最終組に入れなかった真央ちゃんの運命はそこで決まったのであり、順位に関係なく、集大成の最高の演技をすることと戦い、成し遂げた真央ちゃんの勝利を、私は一緒に感激して受け留めたいと思います。真央ちゃんには金メダルよりも価値のある感動賞がふさわしい。もちろん、フリーだけなら金メダルです。

 男子には新しい王者が誕生しました。女子は10年余り続いた日本の黄金時代が一段落となります。私の追っかけも一段落。大輔と真央の一時代にフィギュアスケートを見ることができたことに感謝したい。
 


2013.8.13(火) 気温100度 
 

 
 連日の猛暑で、気温35度以上の数値が出ても驚かなくなりました。
 時おり、スマホの画面で、今自分がいる場所に近い所の気温が表示されるのを見て、37℃とか出ると、より実感がわくのであります。

 34年前の夏、アメリカのジョージア州アトランタでのことです。
 アメリカでは、道路沿いの街の随所に、デジタル表示の時計が見られます。公共施設、商業施設が独自に設けている電光掲示です。アメリカ人は時計を持つ人が少ないからではなく、車でちょっと走ったら州をまたぎ、時間が変わっていることがしばしばあるからです。

 そして、それと同じように、目立ったのが温度の表示。
 暑い日に貸切バスで移動している途中、バスを止めた駐車場のところで見えた温度の電光掲示が「100」でした。日本の℃(摂氏)ではなく、℉(華氏)なので、数字が大きくなるのですが、さすがに、桁が2ケタから3ケタになると、大台のイメージであり、まさに猛暑を表す数字です。アメリカ南部の内陸の気候だから当たり前の暑さです。いまあらためて、100℉=37.8℃ という換算をしてみると、昨今の私の環境では、毎日猛暑日、95度から100度の数字が出るところ。ここは日本ですから、℃ で表わすしかありませんが、もしも℉(華氏)で表わしたら、連日のニュースで100度超えの所が連発、高知県四万十市では105℉(=41.0℃)の気温となる。気温100度超えは、猛暑を表すわかりやすい数字なのです。

 反対に、摂氏で氷点下を表す0℃以下の数値は、マイナスで表現するのでわかりやすいが、摂氏0℃は、華氏では32℉ と、なんとも中途半端な数字なのであります。




 

 




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