　本田路津子、この人がまだ歌手をやっていたことを知り、このコンサートの新聞広告を見たとき、心が躍りました。あの万博の年から５年間だけ、フォーク歌手としてヒット曲を出し、紅白にも出たこの人は、森山良子の上を行く歌手だと私は思っていました。声の高さ、透明感は完全に森山良子に勝っていたと私は評価しています。ＬＰレコードも持っていました。
　さて、私の独身時代の終了とともに、本田路津子さんは歌の世界から姿を消したようで、結婚、渡米、出産など、普通の人の色々な人生を歩み、今は福岡県に住んでゴスペルシンガーとして地道な活動をしているらしい。
　きょうのコンサートは、私らの世代の観客ばかり。高音の伸びがやや苦しいが、ほとんど昔の曲をそのまま、高く澄んだ声で歌いこなす。私をタイムスリップさせてくれる、いいコンサートだった。

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