第71回全日本フィギュアスケート選手権大会 
 2002.12.22 Sun. 京都アクアリーナ
フィギュアスケートというものは、それまでテレビでしか見たことが無かった。
前日の土曜日の夜、ニュースでこの大会のショートプログラムの結果を見て、場所が自宅から近い京都だと知って、迷わず、翌日の朝から阪急電車に乗って、西京極の京都アクアリーナへ。私にとっては初めてのフィギュアスケート生観戦となった。なお、この日のチケットは、当日会場で2千円。席は自由。この時代、こんな感じで楽にチケットが買えたのだ。

この日は最終日で、男女フリー競技。朝から晩までかかって、最終日に残った選手たちの演技が繰り広げられる。美しさというよりも、激闘の様相で、張り詰めた緊張感の中で、難しい技にチャレンジする。それでも失敗は数多い。

私にとって記念すべきこの日の競技は、日本のフィギュアスケート界にとっても、歴史的な節目となる大会だった。

@安藤美姫が、4回転ジャンプを成功するか?
この大会の前に、世界のジュニアの大会で、世界の女子初の4回転を成功させた安藤が、帰国して臨む日本の最高の舞台で、4回転を飛ぶかどうか注目された。練習では何度も成功しているのを目の当たりに見たのだが、本番では失敗。結局安藤美姫が4回転を公式競技の場で成功したケースは少ない。

A小学生の浅田真央が、ノービスの実績を認められ、全日本に特別出場。
本当に小さな子供だった。私はもちろん名前も知らなかった。しかし、堂々たる演技に会場内は沸いた。女子の歴史上世界初の「3連続3回転」をやってのけた。これは、本人もその後はできない、伝説の演技だった。ノービスは、ジュニアの下のクラス。(ほぼ小学生のクラス)

B太田由希奈の鮮烈な全日本デビュー。
やはり、ジュニアの太田由希奈だったが、世界のジュニアチャンピオンとしては先駆者といってもいい。この日、彼女が全日本で見せた演技は、私ばかりではなく、場内全体の観客の目を、心を奪った。ジャンプの後の着地とその後のフォームの美しさ、スパイラル、仰向けにのけぞって回転するレイバックスピン、氷上にいる最初から最後まで、全ての所作が美しかった。この2年後に、足の故障から、栄光の道を外れることになったのが惜しくてならない。